優しくなくていいから

悲しい顔はしないーでー♪

AOI Another Orion コラボに思う

何視点で書いたらいいかわからないけど、語りたいことはたくさんあるので。

アナオリは個人的には特に思い入れのある曲ではないが、彼にとっては歌いやすい曲なんだろうなとは思っていた。

彼らがコラボをすると聞いたとき、喜びより先に「怖い」と思った小心者の私。

大ちゃんの人気はすごいことになってるし、彼のファンの求めるものも大きい。

そもそも藤井さんの歌は常にいうならば主役であり、特に生ではBGMになるようなものじゃないし、パフォーマンスはその時の気分で本人がするので、決められた振付で踊ったところでおかしなことになるんじゃないかと。

しかも彼はバランス感覚に優れた人。

今回のイベントで自分の歌が主役であってはいけないことを分かってる。つまり自分の歌が前に出過ぎないよう調整してくるんじゃないかと。

それが必ずしも良い方向にいくとは限らないから怖いわけだ。

そして大ちゃん。彼の氷上での存在感は特別。

けれど、本人も歌詞のある歌は踊りにくいということを言っていたと聞いたことがあるし、それが日本語の歌であればなおさらじゃないのか。

何か強いイメージがあるとその音楽に対して自由でいられなくなるとでもいったらいいだろうか。

音楽に対して自由でない大ちゃんなんて大ちゃんじゃないわけで、彼が気持よく滑れるかどうか甚だ疑問だった。

これがある意味もっとリズムがある曲であれば、ショーとして見せるものをノリでつくるのは、彼らにならできそうな気がしたけど(そういう部分では二人とも同類なので)、バラードってのは難しい。ある意味一人称だから、その世界に二人、しかも男が二人は存在しえない。

濃さと濃さのぶつかり合いになってバラバラになっちゃうんじゃないか、もしくはお互い遠慮し合って中途半端になっちゃうかと心配していた。主役は二人いらないって意味で。

でも、大ちゃんにだけこう思う。他のスケーターさんにだったら、初めからバラードを勧めるんだけど。

たぶん演技における音楽の存在の仕方が大ちゃんは全然違うからかな。

スケートファンには、藤井さんがこのショーに出演するということをあまりよく思ってない方もいたようで。それは仕方ないと思う。

彼は過去に無駄に知名度がありすぎたせいでそのイメージが強すぎるのだろう。

スケートファンの年齢層的に彼のアイドルとしての全盛期を見てる人も多いから、まず一般的にシンガーとして評価されてることはほぼない。

まぁ彼だけでなく日本にミュージシャンやシンガーを売り上げや人気以外で評価する文化があるとも思ってないけど。

その上フィギュアはそもそもクラッシックやオペラ音楽を使用するのが主流。

そういう音楽を好む人が多いわけで、そういう人からしたら日本のポップミュージックの格なんてかなり低いだろうし、実際のところそういう人を満足させられるのかもよくわからないし。

ファン的理解では、藤井さんも大ちゃんもある部分では自由な人だし、ある部分では相手を気遣い過ぎる真面目な人たちで、うまくいかない要素はいっぱい思い当たる。

いや、でも感覚的には彼らは合うはずと思っていたところもないわけではない。なにしろ大好きな二人だから。別に干支と血液型と身長がほとんど一緒だから好きなわけじゃないので。

表現って部分で同じような空気というかオーラを感じる時もある。(最近の藤井さんはあんまり見せてくれないけど)

ただ、仮にうまくいったとして、たった2日間4公演でどこまでいけるのか、それが彼らお互いに見つけられるのか、それは全く未知数で想像できなかった。

BSで放送されるものは、いったいどんな感じなのか、あの感覚が伝わるのか分からない。情報番組で流れたものは音が悪かったし。

でも、まだまだ若くていつも刺激のある場所で戦っている大ちゃんにとっては、ただの一つのショーにすぎないかもしれないけど、藤井さんには良い刺激になったように思う。いろんな意味で。そうなっていて欲しいなという願望でもある。まだまだ隠居気分に染まらないでほしい。

このコラボは私にとっては思いがけない素敵なプレゼントだった。いろんな偶然が重なってこの舞台が整い、そして二人がその奇跡をさらに素晴らしいものに仕上げてくれたこと、それが何よりも嬉しい。