billboard classics「FUMIYA FUJII PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2014」@兵庫県立芸術文化センター大ホール 2014/6/5
思い立って、楽日行ってしまいました。
行きたいなぁと思いながらも、遠いし、チケット取ってなかったので、なかなか決めきれなかったが、フルオーケストラで歌うところなんてなかなか見ることができないかもしれないという思いも背中を押した。
かなり久々の遠征だったけど、本当に行ってよかった。
兵庫県立芸術文化センターはもちろん初めて行くホール。周りに緑もあり、ホール内も壁や椅子まで木を使っていてとても品のある感じで素敵な空間。
前回見た初日の東京文化会館と比べるとステージがコンパクトなのか、オーケストラがかなり接近して座っているように見えた。指揮者が大友さん、オーケストラが日本センチュリー交響楽団と変わったのでどのような変化があるのかも楽しみの一つ。
全体的な感想としては、初日と比べると、まとまりが良く、どの曲も違和感なく聞きやすかった。会場もオケも指揮者も違う上、私自身が良席だったこともあるので単純比較はできないが、本人にある程度の余裕ができたからだろう。
名古屋も見に行った友人談では、西宮公演は指揮者が変わったので、程よい緊張感があるように感じたとのこと。
大友さんとのMCは(悪い意味ではなく)噛み合ってるのかないのか微妙なところだったが、まぁなんとかするのが藤井さん。その噛み合わなさ具合が面白かった。
歌に関しては、初日も声の出は悪くなかったが、この日はまた格別。オケのアレンジや音にも慣れたので無意識で思い切れるようになったのかも。
なぜだかわからないけど、『Life is Beautiful』 の前半でジーンときてしまった。派手な曲調ではないが、その声のトーンと柔らかさに彼がこの曲に込めた思いなのか、ただただ聴く人の心に寄り添っていようとするようなそんな思いを感じた。
オーケストラということでどちらかというと壮大なバラードが多かったが、毛色の違う曲ということで選ばれている『なんかいいこと』で体中から喜びと楽しさを表現しながら歌う彼にきゅんとくる。
この瞬間を目いっぱい楽しんで、それを観客に放出できるあの能力は本当にすごい。
そして、このために遥々西宮まで行ったといっても過言ではない、初日ではやらなかった『夜明けのブレス』での生声。元々声が大きいのは知っているが、オケが音を抑えているだろうとはいえ、あんなにも違和感なく響き渡るとは。
今回はかなり喉に気を遣ったようなのでその成果が出ていたのかもしれない。
サビのリフレインだけだったが、直接的なその歌詞より、なにかもっと深い柔らかい彼の想いが、マイクを通さないその声を通して会場を包んだように思えた。
複数回のアンコール拍手を繰り返しても、観客は拍手をやめない中、公演終了のアナウンスで、舞台上では大きな楽器の奏者の方が楽器のメンテナンスと片付けを始めている。
ダブルアンコールはないかと帰り支度を始めた人もぱらぱら出てきたころに、「シャワー浴びようとしてたのに~」と言いながら藤井さんが舞台上に顔をだし、悲鳴と大歓声。
ここだけは、普段のライブのノリで観客とやり取りして、帰っていった。
公演中は皆おとなしくしてたので、意外とファンじゃない人も多いのかななんて思っていたけど(実際普段のライブとは違う客層も多かったように思う)、みんな浮かないように我慢してたのね。空気を読むのもファンの仕事。
クラッシック畑の方がポップス歌手になんて、しかも元アイドル扱いされる人になんて、冷たいんじゃないかとかいじめられるんじゃないかとか(笑)そんな心配をよそに、すごく藤井さんを気持ちよく歌わせてくださっていて、彼の歌に反応していてくれてありがたかった。
いろんな人がいるだろうから何とも言えないが。というかそもそもこういう話を引き受けてくださる方々は心が広いのかもしれない。
そしてなんとこの日の公演はテレビ大阪系列全国放送で9月に放送されるそう。
ちょうどBSフジで年末のカウントダウンライブが放送されたばかりだし、BSで山に登りたい2もやったし、30周年というのがあるとは思うが、企画してもらえるのは本当にありがたい。
「30年やってるとこんな風にオーケストラと共演させていただけるというご褒美をいただけて」というような話を藤井さんはしていたけど、本当にちゃんと見ててくれる人もいるんだなぁって今回は思えた。
そして何よりそういう風に感謝できるところ素敵だと思う。
でも、これをちゃんとご褒美だって言えるようにできたのは、今までの積み重ねはもちろんだけど、今回いつもよりいろんなケアを頑張ったからだと思う。まだまだ良くなるんだなってファンとしても実感できた。
全部が良い結果を生むわけじゃないけど、今回の経験でうまくいったことだけじゃなくて、うまくいかなかったことも見つめて、まだまだ良くしていけるってそういう前向きな彼を見ていられたらそれはやはり幸せなことだなと思う。