優しくなくていいから

悲しい顔はしないーでー♪

30th Anniversary Tour vol.2 TRUE LOVE

久々に夏から始まったツアー。この感覚は久々だなと。

ここ数年は、情熱大陸フェスと音霊というのが夏の恒例行事となっていて、昔は夏も冬もツアーしてたし、夏はホールツアー冬はアリーナツアーだったんだよねなんて思い出したりしてました。

さて8月中旬から始まったこのツアー、今日までに2公演見ました。府中2日目と一宮です。

凄く正直をいうと、選曲は全く私の好みではなかったのですが、それでも、いわゆる彼のライブではスタンダードな曲たちのオリジナルにより忠実な編曲は新鮮でした。

ツアーが始まる前から、選曲には全く期待をしていなかったので、そういう意味では予想通り。

けれど、2公演見て本当に感嘆してしまったのは声というか歌。いや、もともとうまいですよ。

あくまで藤井さん比での話なんですけど、以前はもっとばらつきがあったと思うんです。日によって。

なんというのか安定感が増したとでも言えばいいのか。

やはりオーケストラツアーは、彼が今までとは違う視点で自分の歌と向き合うのに良い機会だったんだなと感じてます。

あのツアー後TV番組でもNHKのえん旅とFNS夏の祭りで歌ってましたけど、やはり悪条件の中でも良く声が出てたんですよね。

ライブもリハの段階で、有賀さんが「声メチャでてる」って言ってただけあって、本当にすごい。あれだけ動いてあのクオリティで歌えるのは、もうなんなんだろうな・・・。

いや、一宮はツアーにも慣れてきたこと、会場が狭かったこともあって、声大きすぎやろって思ったくらいでした。

わらの犬」だけは声に力があり過ぎて、あの曲の持つ切なさと儚さとは少し反していたような気もするけど。

私はたぶんファンとしては、藤井さんには厳しい方だと思います。それはたぶん娘が父親に厳しいのに近いのかな。なんというか完璧でいてほしいんですよね、ある部分では。全部ではないけど。

時が過ぎて、あの頃の彼の年齢になり、実際の年齢差は変わらないけど、同じ大人の括りにはいって、いろいろと感じ方も変わってきました。

ソロになってから、特にこの10年ぐらいで、彼の声はより艶やかになったし、低音の響きも変わりました。

反面、若いころなら許されていた勢いだけで歌いきるようなことは、最近の曲では厳しく、おそらくライブなんかでも、本人の体力的にも以前のままのやり方ではすまないところも多くなってきてたのではないかと感じていました。

それだけじゃなく、歌手としての自分のあり方や、どういう曲を届けたいか、いつもチャラチャラした発言をしてるように見えても(笑)、言葉の端々から行き詰まりを感じているのかなと思うこともあったし(それはもうずっとかもしれないけど)、なにより私生活でも子供が成人し、50歳も過ぎ、自分が第一線で活動することへの精神的なパワーを捻り出すことが難しいのかもしれないとも思ったり。

実際には、ライブもそれ以外の仕事もたくさんこなしていたし、何がいけないわけじゃない。こういうことを書くと、おそらくファン以外の人が感じるものとファンが感じるものは違うので表現するのが難しいのですが。

でもね、正直謝りたい気持ちです。見くびっていたと。やっぱりやればできるんです。

52歳になってもまだ全然進化できるみたいです。

一宮で見たのは、歌っているときは自信に溢れ、それ以外は本当に音を楽しんで体を音にあずけているそんな姿でした。

全然ライブの感想じゃなくなりましたが、ただそれだけ。

それを感じられただけでも嬉しいことです。

今回のツアーはアニバーサリーだからいいけど、ファンとしては「久々のツアーだからスタンダードで」とか「○周年だからそういう曲を」とかで結局同じような選曲になることが多すぎなので、ソロの曲でもアルバムの片隅にあるような曲もっと歌ってください。

暗いのは好きじゃないかもしれないけど、私は暗い曲が好きなので、そういうツアーも見てみたいな。