優しくなくていいから

悲しい顔はしないーでー♪

同じ場所をぐるぐる

浅田さんが現役復帰を決めたということで、なんだかマスコミは大フィーバーしている。

引退をしてもかまわない年齢だったには違いないが、目の前で28歳まで続けたあっこちゃんがいて、腰痛はあるとはいえ今のところ大きなけがのない彼女が引退はしないだろうと思ってはいた。

茨の道には違いないだろう。リーザの3Aが初めてでも認定されたとはいえ、彼女の3Aも認定されるとは限らないし、ルッツのエッジ問題、3-3で確実に認定されるジャンプがないとか今の採点上は厳しい部分が素人でも分かる。(別にその採点法を肯定するつもりもないが)

その辺はコーチが痛いほどわかっているようだから、直すのかもしれないし、何か別の戦う術があるのかもしれないし。

まぁ、そんなことはおいておいて、こういう報道が出るとどうしても彼のことと重ねてしまい、いろんな感情が湧き出てくる。

彼女が五輪で悔しかっただろうとかそんな話題が出るたびに、あの場で悔しそうな顔をすることさえ許されなかった彼を思いだす。

演技後笑顔だったから、彼は幸せに競技人生を終えられたなんて、そんなアホみたいな解説はいらない。

私はね、終わった直後は全日本の演技もソチの演技も見返しましたよ。何度も何度も。

そこに何か答えが見つからないかって、そう思って。

でも、引退発表があって逆に見られなくなってしまった。

悲しくて悲しくて。

あのどうしようもない美しさが、一瞬一瞬を刻み込みながら舞うその姿が、あまりにも切なくて。

その境地に達するまで彼が見てきた地獄がどれほどのものだったのか。

そんなことが、またぐるぐると頭の中をまわりだす。

私が考えたってどうしようもないこと。

そんなことはわかってる。

いつか答えがわかるのか、答えだと思えるものが見つかるのか。

それとも時が少しずつ諦めへと導くのか。

いずれにしても、私の気持ちなんてなんの意味もないことだけれども。