優しくなくていいから

悲しい顔はしないーでー♪

SOI2016 と Ice Legends2016

SOIについては、大阪初回公演と東京の金曜と土曜の夜に参加。

もともとSOIでの扱いにあまり期待してなくて、おそらく1曲とグループナンバーがあるかもねぐらいに思ってました。

その点で予測が大きく外れてたわけじゃないんですが、トリだった事と、オープニング、エンディングでも中心的役割を担ってたことが予想外。

もうね、なんだかこういうのに慣れちゃってるんですけど、大ちゃんにどんなに集客力があっても、まおの扱いのがいつでも上なんです。

だからXOI以外のショーでトリとかびっくりでした。SOIは五輪金メダリストも多く出てますしね。

私はスタンド席からしか見れていませんが、上の方ばかりから見ていると、氷上の大ちゃんは本当にどんな時でも身のこなし美しく、目を惹きました。

新プロは派手さはないですが、その分少しの隙も見せられない難しさはあると思います。

東京公演までくるとどんどん動きが自分のものになってるのがわかりました。

個人的には、ボーカルのある、歌詞に意味のある曲をスケートに使うのは好きではないので、その点においては希望とは違っていたけど、ただの好みなので大した問題ではないです。

こういう規模の大きいショーは非スケオタさんが多いので、できればもう少しキャッチーなプロの方が良かったのかもな。いや、でも。。。

なんというか、やはり現役選手の競技プロには観客の反応が良いので、そういうことも考えちゃいます。

そしてIce Legends。

これはねスイスまで見に行こうと本気で思ってて、ホテルも押さえて、飛行機を探してたところで、ブリュッセルのテロが起こって家族に猛反対されました(^^;;

結局、仕事もちょうど忙しい時期と重なってしまい、直後がGWだから、外国人から見るとただ休んでばかりいる人になっちゃうんだよね、ってことでタイミング合わなかったんだけど。

でも、なんとNHK BSささんがたった2日後に放送して下さると知り、本当に良かったと胸を撫で下ろしたのです。

大ちゃんの演目は、ラクリモーサとマンボ、そしてステファンとのコラボ。

最初にプログラムを見た時は、最終演目であることにびっくり。

SOIもびっくりしたけど、とはいえ日本国内のショーなのでないことはないでしょう。でもIce Legendsはスイスの、しかもステファン企画のショーなのだから、やはり彼がトリなのだろうと。

ここでSOIで滑り慣れたLilac Wineではなくラクリモーサを選ぶのはさすが。マンボとの対比、またスケートを見慣れていない客層へのアピール・・・しかもヨーロッパと考えると納得。

Lacrimosa

XOIの時もラクリモーサは体感1分ほどだったけど、それがさらに短くなった気がします。

不穏な音からはじまる、耳を塞ぎ膝を抱えて、不快な雑音から逃れようともがく。

そこに一筋の音が聞こえる。その音に導かれる先に広がるもの・・・。

もう、小さくうずくまって難を逃れようとはしない。

負か正か、溢れ出る何かに突き動かされ舞っていく。

この演目が復帰最初のプログラムだったのには意味があったのだろう。

Shae-LynnからのMessageなのかもしれない。

Le Poeme

このアイスショーの目玉は間違いなくこの演目。

マオのショパンのバラードから始まり、カロリーナの月の光、ステファンのラ・ヴァルスと3曲をフルでつなげて物語を紡いでゆく。ピアノはカティアさんというピアニストによる生演奏。

3人以外の出演者も少しずつ出演はするが、マオは語り部的役割で、物語の内容には絡まない。

基本的にはステファンとカロリーナの二人を軸とした話に、他の出演者が絡んでくる。

ダイスケはラ・ヴァルスでステファンに誘惑される(する?)役。

この主人公二人の物語を破滅に向かわせるという意味では重要なポジションなんだろう。

でも、そんな物語の内容や役どころは置いておいて、ステファンと2人のコラボ部分がもう本当に美しくて、ずーっと見ていたかった。

音との反応の仕方、繊細な動き。似て非なるもの。

個人的には月光(2013SP)が大好きなのもあって、大ちゃんにピアノの音は合うと思ってはいた。

けれど、2人が同時に動くと、異なる音が混ざり合って溶け込むように、反応しあうように動きが音を紡ぎだす。

鍵盤楽器の特性の一つ、鍵盤を叩けば音は出るということ。

つまり、一つの楽器を同時に複数の人間が奏でることもできる。弦楽器や管楽器では起こりえないだろう。

ピアニストが鍵盤の上で動かす指を見ていると、それはまるで踊っているよう。

どの動きがどの音を出しているかが分かりやすいからこそ、自然と彼らの動きが音を紡ぎだしているように思えてしまうのかもしれない。

この物語の中で、この役割が女性ではなく男性だった事はとても自然だ。男と女という異質な存在から生まれるハーモニーと、男同士という同質から生まれるハーモニー。

恋愛どうのこうのではなくとも、そこには異性では創り上げられない何かがある。もちろんその逆も然り。

ダイスケの役割が女性だとただの浮気男になっちゃう。

そうじゃない、自分には実現出来ないものがそこにあるからこそ、彼女はショックを受けるんだろう。

だからこそ、この部分の振付は繊細ながらも、ダイナミックで女性とのコラボとは一線を画している。

次のIce Legendsはステファンとダイスケでいろいろやってみてほしい。

それと、別のショーでいいから、ダブルアメリも見たい。どうか見させて・・・。

Mambo

マンボを見るのは、2013年のN杯エキシ以来?思い起こせばあれからいろいろあったなぁ(T_T)

競技プロを滑るというのは、いい刺激になるんじゃないかと思うので私は嬉しい。

NHKのインタビューでも動けるか不安とか、変わっている自分を感じられるのが楽しみ的なことを言っていたけど、実際のところはどうだったのかな?

きっと本人的には良くなった部分、悪くなった部分あると思うけれどそれも含めてこれからの練習や調整の仕方の参考になると思うから、明確に現役時代の身体の感覚と対比できるプログラムを演るのは良いな。

昔より動きがシャープになりすぎたからか、ちょっとノリ切れない部分もあったように感じたけれど、お客さんも盛り上がってたし、ステファンの狙った効果は十分に発揮されていただろう。

振りと音楽と本人の動きの感覚がばっちりに合った時のすごさは本人が一番わかってるだろうから、この曲に関してはそこまではいかなかったんじゃないかなと。

ただ細かい部分は別として本人も楽しんで、観客を楽しませていたから、十分すぎるんだけどね。

この後そのままフィナーレへ。

カロリーナとテッサに挟まれ、マンボのリズムを刻むダイスケ。

第一部の悲劇的な終わり方と対照的に明るく陽気に終わる第二部。そういう狙いもあってのダイスケというよりマンボが大トリという構成なのねと納得。

NHKはこの後にダイスケ・マオの対談まであって、それはとても充実の放送でした。解説なんていらないとか、会場で流れた選手紹介がなかったなど、不満のご意見もあったようだけど、そこはNHK BSなので、スケートファン以外が見る可能性が高いでしょうから、そういう人向けに、大ちゃんのスケートへの復帰と、大ちゃんをまおと同等の扱いで放送してくれたってことが私は嬉しかったかな。

SOIのニュースを見ても、地上波や一般の人が目に付くところではもうほとんど大ちゃんは映してもらえません。まおちゃん、そしてそれ以外の若手の現役選手たち。

現役優先、たしかにそれは仕方のないことなのかもしれません。

けれど作られた人気の話ではないけれど、マスメディアの気づかないところで人気がでて、彼らのコントロール外で大きくなった人気を、マスメディアは煽ったりはしません。

彼らは、自分たちがコントロールしやすい人気を煽るのに必死です。それをコントロールすることによって生まれる副産物に群がるために。

見ている人間のほとんども、たくさんテレビで映って、名前を連呼されている人に対しては「人気があるんだ」と思うし、そうでない人は「人気が無くなった」と馬鹿にします。

そうやって、どんなに人気があろうと、終わったことにされ、そうやって露出が減り、ネガティブな報道が続けば自然と集客も減っていきます。

彼らはそうやって人気者を作りだし、彼らのやり方に必要ないものを排他していく。

大きな事務所、大きな組織、そういうものに属して、彼らのやり方に従わないとやっていけない世界なんだなとつくづく感じます。

それは置いておいて、日本のショーとは違う点をもう1つ。

Ice Legendsはスイスのショーで決して大きな規模のものではないです。けれども、Inside Skatingをはじめとして、海外のスケート関連のネットメディアも日本のショーとは違い記事や写真をあげています。

これもうれしかった一因。引退をして残念なことは、私たち日本人は彼の演技を見ることはできるけれども(これも本当に彼が氷上に戻ってきてくれたからこそですが)もう、海外のお客さんに見せることができない。

もちろん海外のショーであっても試合の拡散力と比べたら比較になりませんけれど(試合でも海外のフィギュア人気を考えたら大したことないでしょう)、それでも彼の今の演技を心待ちにしててくれた人には届けられたのかなと思ったりするのです。

Ice Legendsは本当にショーとしても新しい試みで、本当に素晴らしい出演者、感想は大ちゃんのものしか書きませんでしたが、どの演目も見ごたえがありました。そしてNHK BSでの放送。どれをとっても、ショーの世界にあまり夢を抱けない私にとっては一筋の光明となったのでした。