優しくなくていいから

悲しい顔はしないーでー♪

4年の進化

ちょっと前に、こんな動画を作った。

一つ目は2009年のカーニバルオンアイス、もう一つは2013年のカーニバルオンアイスで滑ったeyeのステップ部分だけをただ並べただけである。

私の技術不足、機器のスペックも良くない上、フリーソフトのみで作ったのでどうしても動きがカクカクしてしまったり、元の画像と音がずれていたりする部分はあったけれど、それでも音さえちゃんと合わせれば二つの動きを並べてみると、まぁ何とか合っているかなと思えるところまできたので、動画をあげてみた。

2009年のカーニバルオンアイスというのは8月にフレンズオンアイスには出演しているものの、靱帯断裂の怪我から復帰直後で、復帰戦となったフィンランディア杯のちょっと前だったようだ。

そういう意味では単に彼の成長をという意味で比較をするのは失礼かなと思ったりもした。

それは、おそらく怪我前であればもっと動けていた部分もあるだろうし、本人にしかわからないがこの時点でも決して満足いった演技ではなかったかもしれないという意味で。

実際このシーズンが終わるまでにこのプログラムはものすごい進化を遂げるのだから。

そうはいっても、カーニバルオンアイスの開催がシーズン開幕の頃ということは2013年の彼もまだエンジンを温めている状態だったはずであり、同じ会場で同時期に行われたエキシビションと考えれば、彼がこの4年の進化の片鱗が見て取れる。

2013年の彼の動きには全く無駄も隙もない。すべての動き、スケートが完全に彼のコントロール下にあるというのが見て取れる。どんなに不安定な体勢でもその美しさが崩れることはない。一つ一つの動きがより素早く、的確になっている。すべてのポジションも姿勢もより美しく、体型さえもより芸術的になっている。スピンが格段に美しくなっていることも疑いようがない。

正直言って2009年の演技を単体で見て、それほど悪いとは思わないと思う。もちろん本人に言わせればその時点でもたくさんの問題点があっただろうが、音に遅れたりすることはないし、印象的な動きはきっと当時の私が見ていても感動したに違いない。

けれど2013年の動きと並べてみるとどうだろう?その動きは重く見えるし、ところどころステップでも完全にコントロールしきれていないように見える動きもある。

2013-14のシーズン、彼は思うようにモチベーションがあがらなかったとか、自分を貶めるような発言をたくさんしていたが、シーズン開幕の時点で膝の痛みを抱え、エッジを変えたばかりというような状況であってもこれだけの動きができるほどに調整をしていたし、準備もできていた。

残念ながら、その前のシーズンから痛みをこらえ続けてた膝に追い打ちをかけた11月末の怪我があり、彼はまた違う敵と戦わざる得なかったが・・・。

「たられば」はないというが、それでもやはり悔しくて仕方がない。

彼がこの4年で遂げた成長は、フィギュアの可能性を広げた、そういう目に見えないものとの戦いだったと思っている。つまり、ある種のフィギュアスケートの完成形を競技会の場で見る機会を奪われてしまった(かもしれない)のである。

彼はそれが奇跡ではないところまで持っていっていたのだから、一ファンとしてさえその悔しさは拭えない。それが本人やチームのメンバーからしたらどれほどの絶望だったかと思うとやるせない。

*IE11では、埋め込み画面がエラーになってしまうようですが、IE10やChromeでは表示されることは確認しました。エラーが出ている場合は、画像下のリンクから直接動画へアクセスしてみてください。


eye from CaOI2009 and CaOI2013